
当ホームページは、計5回開催された「雪みち懇談会(平成14年9月に設置)」にて審議された提言について、 図・写真等を添えてわかりやすく紹介したものです。
雪みち懇談会では、今後の雪国の冬期道路交通のあり方を視点に「今後の雪国を支える道づくり・道づかいの基本的方向」』 と題した提言を取りまとめていただきました。
はじめに
日本の全国土面積の約6割を有する雪国(積雪寒冷特別地域)において、本格的な冬期道路管理の歴史が始まったのは、「積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法」(以下、雪寒法)が制定された昭和31年にさかのぼる。当時、雪国では、降雪や低温等の厳しい気象による道路の通行障害のため、社会経済活動から日常生活に至るまで、大きな負担および不安の中での生活を余儀なくされていた。また、雪による道路の通行障害に加えて、雪によって路盤が損傷するため、その復旧に要する費用が雪国の財政を相当圧迫していた時代でもあった。
雪寒法は、現在のようなモータリゼーションが発達していない戦後間もない時代に、来るべきモータリゼーションの時代を視野に入れて、積雪や凍結などの現象を自然現象として放置することなく、雪国における生活の安定と産業の振興を図ることを目的として制定されたものである。
昭和31年に雪寒法が制定されてから現在に至るまでの約45年間に亘り、雪寒法に基づく「雪寒事業」が実施されてきた結果、道路整備の進行とともに冬期道路交通の確保が図られ、雪国は「開かれた地域」へと変貌を遂げることが可能となった。
しかし、近年では、少子高齢化や過疎化の進展などの社会状況の変化に伴い、冬期バリアや地域コミュニティーによる雪処理能力の低下などの新たな課題も生じてきている。また、現在の我が国の財政状況を考えると、雪寒事業について、現在の水準を大幅に上回る投資は困難な状況にあり、より効率的な事業の実施を図るとともに、既存の道路等を可能な限り有効に使っていく様々な工夫を図っていくことも必要がある。
この提言は、当懇談会において、このような諸課題及び雪国の現状と今後の展望について広範な議論を行い、今後の冬期道路交通の確保のために取り組むべき道路行政の課題とその方向性について取りまとめたものである。なお、提言には、道路管理者だけでは対応できない内容も多く含まれていることから、道路管理者においては、関係行政機関をはじめ、その他関係する団体等との連携強化を図り、本提言の実現に向けて努力されることを期待する。
平成15年9月30日
雪 み ち 懇 談 会
雪みち懇談会委員
委員長 | 清水浩志郎 | 秋田大学工学資源学部土木環境工学科教授 |
委 員 | 荒木 哲也 | 北陸経済連合会専務理事 |
荒関 岩雄 | NPO法人水環境北海道専務理事(恵庭市建設部次長) | |
酒井 孝 | 社団法人雪センター理事長 | |
佐々木誠造 | 全国雪対策連絡協議会会長(青森市長) | |
志村 英明 | 北海道経済連合会事務局次長 | |
杉山 陸子 | 株式会社企画集団ぷりずむ代表 | |
杉山 好信 | 社団法人雪センター顧問 | |
高野 伸栄 | 北海道大学大学院工学研究科都市環境工学専攻助教授 | |
永里 恒昭 | 社団法人日本観光協会常務理事 | |
沼野 慈 | NPO法人山形創造NPO支援ネットワーク理事 | |
樋口 敬二 | 名古屋市科学館館長 | |
藤谷 忠安 | 北陸経済連合会専務理事(平成14年度懇談会委員) | |
丸山 暉彦 | 長岡技術科学大学工学部環境・建設系教授 | |
山本 安幸 | 株式会社エフエム雪国取締役放送局長 |
(五十音順、敬称略)
提言内容
雪国を支える道づくり・道づかいの新たな方向 -雪みち懇談会提言-
1.雪国の現状
2.雪国の今後の展望
第3章 今後の雪国を支える道づくり・道づかいの基本的方向と新たな施策
付録 「雪みち懇談会提言の実現に向けた具体策について」アンケート結果